僕はこのところ、毎年どこかに必ず海外旅行に行っていますが、旅行に行くという行為の中で、何かの乗り物に乗り、移動している時間が一番好きです。
旅行に行くんだったら、現地に着いてから色々観光するのが面白いというのが一般的な考え方だと思いますが、僕は違うみたいです。現地についてからの観光は、乗り物で移動した後のおまけみたいなものだと思っているのです。
昔から、遠足だったらバスの中での友達との会話とか、カラオケ大会とか、修学旅行なら新幹線の移動中の大貧民とかUNOとかをやっている時間が好きでした。いまなら、そうですね、エコノミークラスの窮屈な席に座って、夜窓から地上の街あかりを眺めたり、夕焼けの雲海を眺めたり、現地に着いてから鉄道でのどかな田園風景を眺めるのが好きです。
何故なのでしょうか。。。ひとつ考えられるのは、自分の足で移動しなくても乗り物が勝手に移動してくれて、旅行をしているという気分を味わえるるという、何ともぐうたらな理由です。あとは、単純に乗り物が好きだということ。
でも、乗り物に乗っているときに限らず、例えば搭乗手続きをしているときとか、手荷物検査を受けているときとか、切符を買っているときとか、旅行そのものとは関係のない煩雑な手続きも好きだということを考えると、その内容によらず、ひとつひとつ手順を踏みながら、旅行をしているという気分を味わえること、そのものが好きなのかもしれません。
僕にとって旅行というのは、異国の文化の中に飛び込み、自分の知らないような小さな数々の問題に直面し、それをひとつひとつ解決しながら何かの目的(例えば目的の絵画を見に行くとか)を達成する、というそのプロセスに価値が見いだされているのだと思います。いわゆる、現実版のロールプレイングゲームみたいなものです。
それに加える形で、異国情緒を味わったり、芸術を楽しんだりできればなおよし、というのが僕の旅行に対する価値観みたいです。何とも本末転倒な感じがしますけどね。