オーケストラでは、皆さんもご存じの通り、弦楽器の中でヴァイオリンパートだけに、同じ楽器にもかかわらず1stと2ndというパート分けがあります。それぞれのパートでは、多いときには7プルト(14人)ぐらい演奏者がいるので、ヴァイオリンだけでオーケストラの中には30人程度いることになり、もっとも大所帯のパートになります。
2つのパートの違いは、1stが高い音域のメロディーを担当し主旋律が多い、2ndが低い音域を担当し伴奏が多いという感じです。なので、音域の面での演奏技術的にはどちらかというと1stの方が難しいとされ、比較的最近ヴァイオリンを始めた人は2ndにいることが多いです。そのせいでしょうか、どのオーケストラでも1stと2ndのパートにはそれぞれ共通の雰囲気があるように思います。(もちろん、2ndには伴奏という側面でリズムの難しさがありるので、一概にどちらが高い演奏技術を要するとは言えません。)
ひとことで言うなら、2ndはアットホームで団結力がある、1stは個人主義でバラバラな性格の人のよせ集まりみたいな感じです。
分奏するときでも、2ndはみんなで集まってお互いに色々アドバイスしながらわいわいがやがや、合奏するときは1回目の練習の時から集まりがとても良い。一方1stは、そもそも分奏を滅多にやらない、練習は個人でバラバラに(ちょっと極端に言えば)お互いの音が聞こえない程度離れてやる。1回目の合奏に来るのは本来の人数の半分以下、全員が集まるのは本番2、3回前ぐらいの練習から。という感じです。
何となく分かりますか?本当に面白いぐらい、この雰囲気はどこでも共通しているんです。どちらがいいとかいうことではないのですが、演奏会ではあまり感じられないことだと思うので、ご紹介程度に書いてみました。