今日は、会社で一緒にはたらいている方のホームパーティーがあり、僕は赤ワインを持参する役目として、参加しました。
そして、今日ワインを買うというタスクをこなしてつくづく感じたことは、ワイン選びというのは、楽器を選ぶのと一緒だなぁということでした。
ワインを買いに行ったのは渋谷の東急本店の地下食品売り場なのですが、ここはかなり本格的なワインショップがあり、グラスワインをサーブしてくれるカウンターとかがあり、壁には一面各地方のワインが整然と並べられています。
さらに、ここ数週間はワインフェスタなるイベントの期間中で、実際に試飲をしながらワインを選べるという非常に貴重な機会でした。お店のおすすめは、イタリアンワインだったのですが、試飲した3本は本当に三者三様で、どれを選ぶかは、買い手の判断次第だということを感じました。
楽器を選ぶときもそうなのですが、基本的な性能を満たしたうえで、さらに上の基準を持って選ぼうと考えた場合、それはもう既にその人の主観的な評価基準で選ぶしかないのです。誰か第三者の意見を聞いたところで、自分の満足を満たせなければ意味はないわけで、自分の聴覚を信じるということが求められるのです。
今日行ったワインショップでも、販売の方は本当に丁寧に説明して下さいましたが、服を買うときと同じで、自分の言った意見に反論するということがありませんでした。楽器選びで、かなり相談を重ねた身としては、「いや、私も今日試飲をしていただいている中ではこれが一番だと思うんです。」などと言われても、心の中では「本当にそう思っているのですか?」と多少クエスチョンマークが出てきてしまいました。
しかし、そんな疑心暗鬼になってもしょうがないので、自分の味覚を信じてお店に入る前に思い描いていたイメージに最も近いワインを選んだわけです。
で、今日思ったことは、レストランとかでメニューと金額を見て、ワイン選びをするというのは、いかに盲目的で、賭に近いかということでした。金額でこれぐらいだったらとか、何年ものだったらとか前提知識は色々と駆使できるかもしれませんが、そんな基準では到底計ることのできない、味わいが実物のワインにはあるのです。
その違いを知れば知るほど、どんな料理に合わせるのか、とか、どんな味わいを求めているのかという、買い手の気持ちが重要になってくるのだと思います。
楽器選びも同じで、買い手が音色の違いを理解できなくて、何となくいい楽器を買いたいというような中途半端なイメージしか持っていなければ、楽器屋はより高い楽器を売りつけようとするに違いありません。逆に、違いが分からないような人には、本当によい楽器を売りたいとは思わないかもしれません。
よいワインを選べる感覚を身につけるコツは、高級なワインを飲み比べることにあると、つくづく感じます。楽器も同じ、本当によい音色を知らなければ、中途半端なところで満足感を得て終わってしまうのです。
ワイン選びは、いくらラベルを眺めていたところで始まりません。ラベルには断片的な情報しか記載されてないからです。壁に並べられたすさまじい本数のワインを前にして、路頭に迷うことでしょう。本当に自分の望みを叶えたいと思えば、味わって確かめるしかありません。
楽器と違い、ワインは一回飲んでしまうと、同じワインを買わない限り、二度と同じ味わいに出会うことができないということを考えると、非常に贅沢な楽しみだと思います。新たな発見を求めて、たくさんのワインを飲み比べるということは、比較的分析好きの理系人間向きの、奥深い世界だなぁと思います。
今日のアルコール度数:★★