販売実習の記録

今日は,「僕の週末を返してくれ!」と叫びながら家でちまちまとパワポのスライドを作っていたのですが,ノートPCのとあるディレクトリに懐かしい日記が保存されていたので,それを今日は紹介したいと思います.

これは,昨年の2月から1ヶ月間とある家電量販店で販売実習をしていたときの日記です.今読み返しても痛々しい思い出がよみがえってきますが,その片鱗でも感じ取ってもらえればと思います.ちょっと長いですけど,どうぞ.

ちなみに,残念なことに販売実習中はこの1日しか日記を書きませんでした.(固有名詞等は適宜伏せてありますが,ご了承くださいませ.)

2004年2月23日(月)

木,金,土,日,月ときて明日がやっと初めての休みである.今日は初日のSさんに引き続き,I主任に怒られた.前の主任から変わったということを知らされていたにもかかわらず,挨拶に行っていなかったし,今朝も出社してから朝の挨拶をしていなかったからである.

在庫を検索していたら,目が合ってしまい,なぜ挨拶しないんだと半ば因縁をつけられたかのような雰囲気で一気にまくし立てられた.初日の苦い経験もあり,一切言い訳をしてはならないという,SW●J(注1)のSさんの助言があったので,今日はひたすら謝り,何度もおはようございますを繰り返し,繰り返し言ったら今後気をつけるようにという言葉と共に解放された.誰しも時には虫の悪いときもあるし,僕自身も普段は浮世離れした生活をしていることもあって,人間社会の常識を知らないという問題もあり,こんなことも起きるのだろう.

他の人に怒られるのもいい加減慣れてしまった.お客さんとのトラブルを起こして怒られるより,靴を忘れた,挨拶をしなかったなど,自分の問題で閉じている範囲で怒られる分にはほとんど問題はないと感じてしまうようになった.ひたすら謝り,問題を繰り返さないように言われたことをきちんと修正し,笑顔で接し,誠意を持った態度で何度もコミュニケーションしていくうちに,信頼関係というものは築いていけるのである.

初めは,お互いによく素性も知らないこともあり,警戒しているのは動物同士の関係とまったく同じである.閉店後に搬入搬出を共に行ったりすることで,共に店を支えているという実感を味わうことが信頼関係を築く第1歩なのであろう.

情報の上だけで処理をし,売り上げを上げるだけでは,本当にはっきり言って単なる販売応援である.販売応援と販売実習の違いは,閉店後に出荷する在庫を倉庫から出したり,新しく届いた商品を搬入したりと,主任やさまざまな売り場の人と,お客さんのいない場所で素顔のコミュニケーションをすることが大事なのだということが実感された.

初めはなんと非人間的な軍隊のような組織だろうかと思ったが,それぞれの人間の努力は周りの人たちがきちんと観察していて,正しく認めてくれ,困っているときには助けてくれるということがわかり,今日はさらにもう一歩踏み込んだコミュニケーションができたという点では,やはりお互いさわやかにコミュニケーションができる人々なのだと,ある意味当然の事実を確認できた点が今までの数日間にない,新たな発見であった.

はっきり言って,初日から今日まですべての日が新しい発見の連続でまだ収束したようには感じられない.そろそろ新入社員が入ってくるそうで,いったいいつになったら巡航ができるのか,まだ見通しが立たない.

それにしても,初日の靴忘れ騒動で購入した靴はそこが薄いのか19時以降(注2)になると急に足の裏が痛くなってくる.不思議なことに,いままで一晩寝るとうそのように足の痛みはすっかり取れてしまうのだが,やはり何か靴底にクッションを仕込んでおいたほうが,健全な毎日の生活のためには良いかもしれない.

SW●Jの人にはB(注3)の人から私が(僕と書くとまた怒られそうで恐ろしい,お疲れ様(注4)も書きたくないぐらい)結構評判がいいよと言われているのだが,誰がいったいそんな報告をしているのかさっぱり見当がつかない.どこに設置されているのかわからない監視カメラで売り場の様子が監視されているぐらいだから,やはり誰かに私の一挙手一投足が見られているのだろうが,そんな視線を気にするような暇もないので,ひたすら黙々と売り上げを伸ばすことを考えて行動するのみである.なぜならそれしか売り場ではすることがないからである.

もう少ししたら何か他の楽しみ方が発見できるのかもしれないが,現在はただ,品物をお客様に笑顔で買ってもらえることが喜びである.但し,決して間違いのないように.信頼を裏切ることのないように.

これはとっても難しいことである.なぜなら,意図せず間違いを犯してしまうこともありうるからである.そんなトラブルは誰も好き好んで起こす人はいない.しかし不可抗力でミスが起きることはあるわけで,そういった場合はどう扱うべきなのだろうか.その人個人の責任を追及するべきなのだろうか.程度の問題はあれ,取り返しのつかないことというのは,絶対起きないとは言い切れないことである.

とまあ,ぐだぐだと文章を書いてみたが,結構日記というのは後から読んでみると面白いので,せっかくだから書いてみた.この文章で何かいいことがあればいいなぐらいの気持ちである.

注1:うちの会社の営業部門の名前

注2:勤務時間は10:00~22:00その間休憩は昼30分,夕20分

注3:販売実習をした家電量販店の名前

注4:店のルールで,誰かを送り出すときやすれ違うときの挨拶は「お疲れ様です」ではなく「ご苦労様です」と言わないといけないと決まっていた.間違えると怒られる.変なの.

どうでしょう,こんな感じで1ヶ月も続けたんですが,やっぱり会社に戻ってきたときは,少し性格が変わっていたと思います...

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