やっと純正律まで到達

なんかだんだん楽典入門みたいになってきてますが,興味のない人はまた別の日にお会いしましょうということで,しばらくご辛抱ください.

さて,昨日の復習.

倍音をたどっていくと基音Cを1としたときのそれぞれの音の周波数比が

C–D–E–F–G–A–H–C

1–9/8–5/4–*–3/2–*–15/8–2

となるところまでわかったのでした.

いきなりちょっとここで脱線して倍音の話をしますが,倍音をたどっていくと2倍音から順にC->G->C->E->Gという音になるのでしたね.一方で,実際に楽器を演奏すると,弦の振動の中には必然的に2倍,3倍・・・の周波数成分が含まれてきます.(添付した画像のように弦が振動することで,したから順に基音->2倍音->3倍音・・・が鳴るのですが,実際はこれらが混ざった振動をします.)

だから,Cの音を鳴らしているときによーく耳を澄ますと,オクターブ上の音はもちろん,Gの音やEの音が聞こえてくるのです.純粋にひとつの周波数だけ音がならせるのは電子楽器ぐらいで,pianoでもviolinでも同じことです.そして,この倍音成分の比率が違うからこそ,それぞれの楽器の音色の個性が出てくるのです.

さて,本題の純正音程の話.周波数比が単純な整数比になる音程を純正音程といいうのですが,1:2のオクターブはもちろんのこと,2:3というのもあってこれは完全5度(CとGとか)の音程というやつになります.他にも,3:4の完全4度(CとFとか),4:5の長3度(CとEとか),5:6の短3度(EとGとか)とかがあります.このように純正音程の関係にある複数の音を鳴らすとうなりや濁りのない和音が綺麗に聞こえるのです.ハ長調ならドミソとかファラドとかソシレとか(すべて周波数比4:5:6).

そして,さりげなく書いてきましたが,昨日書いた自然倍音を用いて作った音階が純正律であって,純正律のこころは「多用する音程をなるべく多く,純正にしようとする調律法」なのです.だから,純正律で調律すると特定の和音が綺麗に響くというわけです.そして,純正律はドミソ,ファラド,ソシレの和音がそれぞれ4:5:6の周波数比になるように調律したものなのです(ハ長調の場合).

ということで,まだ埋まっていない2つのアスタリスクはFとAの音ですが,この定義(ファラドが4:5:6)により値を埋めると,高いCから順に戻ってきて

1–9/8–5/4–4/3–3/2–5/3–15/8–2

となります.

ちなみに,基音をいつものA,440Hzにすると,イ長調の音程の周波数はそれぞれこんな感じになります.

440–495–550–586.67–660–733.33–825–880

ふぅふぅ,やっとうまった.

で,ここからが面白い話なのですが,続きはまた明日.明日は,純正律と平均律の比較の話です.

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