空想と現実の狭間で

ソフィーお婆ちゃん最高です.

時間があったので特典DVDを見てたら,そのままの流れで本編DVDも途中まで見てしまったのですが,彼女の魅力を改めて感じてしまいました.

人の魅力は,年齢や外見とはまったく無関係なものであるという哲学は,紅の豚でもそれこそズバリ主題になっていたテーマですが,このことに関して僕は,現実の世界でも自分の経験を通じて感じたことがあります.

世の中には年齢と関係なく魅力的にあり続ける女性がいるということを僕が感じたのは,実は,昨年の第九を演奏した時だったりします.

結局その女性とは,僕と同じ1st Violinで練習期間の間ほとんどずっと同じプルトで演奏をして,本番では,彼女が指名して僕と同じ3プルの裏で演奏してくれました.本来なら外部から臨時で演奏会に参加する僕のような人間が,一般の団員を後ろに座らせて3プルの表で演奏するなんてことは,まず滅多にないはずなんですけど,彼女がコンマスを説得してくれて一緒に演奏することが実現したのでした.

彼女はとある企業の社長夫人ということで,普段から服装などは周囲の人からはあきらかに違うレベルで,逆に言うと人ごみの中では浮いてしまうぐらいの雰囲気を持った人だったのですが,育ちが良すぎて社会の暗い側面をまったく経験してこなかったせいなのか,もともと生まれ持った性格なのか,何事にもまったく物怖じせず,自分の思ったことを誰にでも尋ねて,誰からでも親切にしてもらえる素敵な素質を持った女性なのです.

ちなみに彼女は,外見的には一般的に言うところの白髪のお婆さんです.僕が単にマダムうけする人間で,たまたま気に入られただけ,と解釈することもできるでしょう.でも,僕は演奏会の開演前,舞台のそでで彼女と舞台に出る瞬間を待っていた時,もし彼女が僕と同じぐらいの年齢の女性だったら,きっと恋をしていただろうと,素直に思えたのでした.

僕が舞台そでで一人で立って待っていると,彼女は僕に近づき,僕の腕をとり,結局二人で腕を組んで開演を待っていたのです.その時,今までのたった数ヶ月間ではありますが,彼女と一緒に練習してきた思い出がよみがえってきて,とても感慨深いものでした.

ある時は,他のメンバーが練習にこなくていきなりほとんど初見でトップを弾かされてしどろもどろモードになったこともあります.そんな時にも隣に座っていたのは彼女だったりしました.彼女は必ずしも抜群に演奏が出来るわけではなかったのですが,僕のことをとても信頼してくださいました.お恥ずかしながら,ある意味僕は,その信頼に応えようと頑張っちゃったりすることができたのです.

そんな色んなことを思い出しながら,舞台そでで待っていると,僕の数倍もの年月を重ねてきた彼女は,今までどんな素敵な恋をしてきたんだろうと思い,彼女が僕と同じぐらいの年齢の時にめぐり合えていれば,どんなに良かっただろうかと思ったのでした.

舞台そでで開演を待つ彼女の横顔には,彼女の若かりし日の面影が見えたような気がしました.

とまあ,ある意味僕がどうかしていると言えなくもないお話ですけど,これはその時に感じた素直な気持ちなので,どう解釈されても仕方ないです.

ハウルにこんな話のアナロジーがあったなんて不思議だなぁと思ったので,ご紹介してみました.ま,空想と現実をないまぜにしてしまう僕の悪い癖と言えなくもないですけれどね...

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