原始的な現代音楽

Steve ReichのCDが届いたので,今日は仕事をしながら聴いてました.

普通の人が聴いたら,きっと「何だこれ?」という感じで,わけが分からない感覚に襲われるかもしれません.ずっと聴いていると,頭がおかしくなりそうに思うかもしれません.

でも僕にとっては,小さい時から今まで何となく気になっていたけど,見つけられなかった音楽にこの歳になってやっと出会った感覚です.よかった.

色々アレンジされて現代風にはなっていますが,結局のところ,ミニマル・ミュージックのエッセンスは,世界中どこにでもある最も原始的な音楽の表現手法そのものなんじゃないかと思います.CDは現代音楽っていうジャンルに分類されてますが,僕にしたら,むしろヒトが音を使って何かの表現を始めたときの原点に最も近い音楽だと思います.

アフリカの民族音楽で,複数のパーカッションを打ち鳴らしながら演奏する時のリズムもそうですし,バリの民族音楽であるケチャやガムランといったものもそうです.あ,もちろん日本の和太鼓もそうです.これらの音楽は地球上で遠く離れた地域に独自に発達した表現手法ですが,なぜかそれらには共通するコンセプトがたくさん入っているように思います.

ライヒがこれらの民族音楽に触れ,インスパイアされる形でミニマル・ミュージックというジャンルを確立した結果,遠く地球上に離れて存在した音楽のエッセンスがうまい形で融合され,新しい現代音楽のジャンルとして生まれ変わったのでしょう.

現代音楽ということで,だたでさえ抽象度の高い音楽という芸術表現が,さらに抽象度を増して分かりにくいと感じるかもしれません.美しい旋律はまったく存在しません.無機的で離散的な音程と規則的なリズムがひたすら鳴らされるだけの音楽です.

でも,人間にとっての音楽の原点とも言うべきものにインスパイアされたミニマル・ミュージックには,人間の本能に訴えかける力があるように思います.

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