巨大システムを動かす小さな力

yahooで動画配信をやっているのがきっかけで,最近また,エヴァンゲリオンのアニメをちょくちょく見ています.これはいわゆる巨大ロボ系のアニメーションで,フツーの人からすれば,マニアックな部類に入るかもしれません.

このアニメの楽しみ方には色んな切り口があると思いますが,僕が好きな点のひとつは,巨大なロボットを動かすための複雑なシステムの描写が,あまり現実離れしない範囲で細かく行われいているということにあると思います.

プラントでも,発電所でも,ロケットの打ち上げでも何でもいいのですが,巨大なシステムを動かすために,多くの人員が関わり,時間がさかれ,ステップを踏みながら,その努力が最終的にある一点に集約されるというプロセスがとても魅力的に感じるのです.

ボタンひとつで大きなシステムが始動する...ボタンというトリガにきっかけを集約するために払われた工数の大きさ,そして,ボタンを押すという人間の小さなエネルギー消費で,その何十万倍ものエネルギーを動かすという効果,そういったギャップが大きければ大きいほどワクワクするのです.

今の時代,中央集権的なシステムはウィークポイントが一点に集中しているから脆弱だという意味で,あまり歓迎されないものですが(国家の運営とかでもそうですね),インターネットみたいな自律分散型の巨大システムはつかみどころがなくて,少し残念な感じがするので,自分のやったことの効果がわかりやすいという意味で,中央集権が好きなのだと思います.

自分の能力を遙かに超えるシステムを,自分の小さな力で思い通りにコントロールする,という考え方にあこがれるのは,自分のベースがやっぱりメカ屋だからなんだろうなぁと思います.

エヴァとかがリアルタイムで放映されていた90年代には,大学の機械科では就職人気ランキングの上位にかなり重工系の会社が入っていました.僕は今でもそういった分野も,好きは好きですが,何となく時代が違うような気がしないでもないです.

ただ,我々が生活している便利な世の中を背後で支えているのはそういったメーカが建造する巨大なインフラであって,決して世の中からなくなることはないし,ロケットや次世代旅客機を開発したりしているという意味では,技術はまだ進歩し続けているのだとは思うのですが,不思議とノスタルジックに感じてしまいます.

というわけで,何となくそんな気持ちがあったから,僕は何でも小型なものを作るのが好きな会社に勤務しているのかもしれません...

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