オケの効用

今週末は音楽デーになりそうな感じです.明日は,朝から狛江フィルの練習に初めて顔を出すことになっています.

いろんなオケに顔を出して練習するのって,週末のスケジュールがほとんど埋まってしまうため,何気に大変なのですが,必然的に演奏する曲と,楽器に触る機会が増えるという意味で,いい効果もあります.

オケを始めた頃は,それまでそんなにたくさんの種類の曲に出会ってこなかったので,一曲一曲をかなりじっくりと演奏するのに慣れており,新しい曲に遭遇しても,なかなか初見で弾けるようにはなっていなかったのです.それに,よく演奏する曲の中では必要とされていた奏法も限られていたため,自分の身につけていた技術の幅も狭かったと思います.

でも,オケをやり出すと次から次から個性的な曲がどんどんやってくるため,何とかそれをこなそうと努力するようになります.すると,弾けるようになるために四苦八苦して練習していくうちに,自然とそれまで自分の持っていなかった奏法を身につける結果となり,技術の幅が広がってくるのです.

これは,僕がそれまで自分一人で練習していたときにはあまりない感覚でした.そもそも,自分の持っている曲のレパートリーと,そのちょっと周辺で練習を重ねるのみで,それまで全然知らなかったような作曲家のジャンルに巡り会うということがあまりなかったからです.

オケで楽器を弾くと,自分の音をちゃんと聞かなくなって弾き方が雑になるという判断をする演奏家もいますが,その点は練習時に自分自身で自分を律すればいいだけのことでしょう.むしろ,多様な人々の価値観の中に自分を置いて,それまで知らなかったような分野へ自分の演奏を発展させる機会を持てるという利点の方が,欠点を凌駕していると思います.

たくさんの人数で活動すると,色んな意見が多様に交錯するので,まとめ役の人はとても敏感なバランス感覚が要求されるものなのですが,うまくできたもので,人が多い分,必ずそういう要求にこたえられる人材がいるものです.

オケの活動は,何かと社会の縮図みたいなところがあって,周囲を客観的に観察していると結構面白いです.この発見が続く限り,僕のオケ活動も続くのだと思います.

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