尊敬

お菓子の箱とか,絵本とかに,よく子供向けのかわいらしい動物の絵とかが描いてありますが,僕はああいう絵を見ると,何故か分かりませんが,無性に感動して泣きそうになってしまいます.

どういう深層心理があるのかは分からないのですが,何となく思うことは,その絵を描いたひとの子供達に対して向けられた心からの優しいまなざしが,その絵から感じ取れるからなのだろうと思います.

裏を返すと,自分には心の底からそういう気持ちになることが出来ないという,自分に対する悲しさと,そういう気持ちになれるひとがこの世の中に存在することのかけがえなさに対して,感動しているのかもしれません.

ここでこんなこと書いても仕方ないのですが,僕はひとに対する思いやりに欠ける人間です.ひとに色々気遣いされるのも好きではないのと同時に,ひとに対して心の底から自分の利害を無視して振る舞うことができないのです.

外見上は色々と献身的に活動するという側面も見られることもあるかと思いますが,それはあくまでも,気づいてしまったからやっているという,誰かに何かを言われたわけでもない義務感に駆られてやっているに過ぎないように思います.世の中はこうあるべきだとか,ひとはこうあるべきだとか,頭で理解している人間像に自分を当てはめようとして,本来の自分の心理とは裏腹の行動をしているように思います.

そんな理想像を自分の中に描いてしまっていること,その場面でどう行動すべきかなんてことに気づいてしまう自分は,なんとも面倒な性格だと思います.いっそのこと,鈍感でいられたならどんなに楽だろうと思います.

でも,本来の自分の思うがままに生きていたら,僕はきっと最悪な人間だと思います.そして,世の中で自分は今のような生活は送っていないだろうと思います.

自分中心,自分がよければそれでいい,自分がかわいい,ひとのことなんか関係ない,自分と関係ない厄介な問題にはなるべく関わりたくない,僕は,そんな,ひとに対する愛情に欠ける冷酷な人間なのです.

人に席を譲ることも,ボランティアに参加することも,プレゼントをあげることも,もう一人の自分がやっている行動です.僕は,そんな自分が嫌いだし,とても悲しく思います.誰に対しても,何も考えずに,本当の自分の心の底から,無償の愛を注げるような人間になれたらどんなに素晴らしいことだろうと思います.

そして,そんなひとが世の中にいることを僕は心から尊敬します.

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