ノスタルジア

いわゆる郷愁とか懐古,追憶ってやつですね.

僕の場合,異郷の地から故郷を懐かしむという意味での郷愁というのは,外国から日本という視点ではあったとしても,日本に住んでいて感じるということは,あまりないです.

結局,「ふるさと」と呼べるような雰囲気を持った土地で育ってはいなかったからなんだろうと思います.

昭和50年代後半に,それまで山林だったところを造成してつくった団地.学校は,いかにも戦後の工業規格で造ったような画一的な校舎.便利で機能的ではあっても,無味乾燥とした直線的な街並み.

僕の日本での原風景は,品川区の中延商店街,都心特有のゴチャゴチャとした街並みと,秘密基地を作りに友達とチャリを走らせた八王子の山林と造成中の丘ぐらいしかないのです.

だから,日本映画のワンシーンでありそうな,都会に住む主人公が故郷に里帰りして昔と変らぬ風景を懐かしんだり,趣のある校舎で旧友と再会する同窓会を開催したり,といった描写にとても憧れます.

昔の友達がそれぞれ故郷をあとにして,バラバラになっても,共通の故郷という絆のもとに再会できるのは,やはり故郷の持つ趣の違いに由来するのではないかと思うのです.

歴史を持つ街であればあるほど,その街の独自性があり,味わいも深く,愛着もわきます.だから,その土地で生まれ育ったことが他人とは違う特別な思い出となり,昔の友人らと抱く「同郷の念」というのはより強いものになるのだと思います.

隣の芝生は青いだけなのかもしれないけれど,夏休み,年末年始なんかに,帰省と称して新幹線やら,飛行機やらで故郷に帰り,実家でゆっくりとするというイベントが僕にもできたらいいなと思う.

親に連れられて親の実家に帰省することはあったけど,僕にとっては帰省じゃなくて「夏休みの旅行」だったからな.

ま,少なくとも実家を出なければノスタルジアもひったくれもないわけで...弟との2人暮らしをほっぽり出して,またどっかに住めばいいのかな.でも,家が空いているのに部屋を借りるのももったいないしな...

とりあえず,ないものねだりはやめとこうか.

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