ヴァイオリンの練習・その1

ヴァイオリンの練習をするときの定番メニューというのは下記のような感じです.

1.左指をほぐすための準備運動,移弦

2.スケール

3.エチュード

それぞれ教則本として定番なのが,

1.セブシック

2.小野アンナ・ヴァイオリン音階教本

  カールフレッシュ

3.カイザー

  クロイツェル

  ドント

  ローデ

こんな名前のものたちです.

全部説明をするとかなり長くなるので,今日はとりあえず1について説明しようと思います.

ヴァイオリンには,ギターのようにフレットがありません.したがって,迷いなく正確な音程で曲を奏でるためには,正確な指の間隔を体に覚え込ませる必要があります.

さらに,人間の手の構造上,指によって動かし易い指と,動かしにくい指,開きやすい指と,開きにくい指があります.例えば指先を全てテーブルにつけたまま,薬指だけをテーブル上で上下させるのは難しいですし,人差し指で低い音を押さえたまま,小指で高い音を押さえようとすると,人差し指と小指とが最大限離れるように,指を思いっきり広げなければいけません.

このような,人間の解剖学的な弱点を補うために,手の筋力を鍛えたり,一本一本の指の運動の独立性を高めたり,指の関節の柔軟性を高めるのが,1の練習なのです.

実際には,4分音符や3連符で構成される小節を,メトロノームを聞きながら,3種類のスピードでひたすら繰り返し演奏します.3種類のスピードが終わったら,次の小節に移る,というように.

1小節分の音の連なりは,何のメッセージ性もない,きわめて幾何的なものなので,こんな練習を30分も続けていると,精神は無の境地に達します.自分の手がロボットにでもなってしまったかのような.

はっきり言って,苦行,修行とも呼べるような無味乾燥としたものなのですが,侮る事なかれ,セブシックをやる前と後では,指の動きやすさが断然向上します.

昔,レッスンを受けていたときには,こんなことをするためにヴァイオリンを弾いているんじゃないのに,と思ったものですが,今はこのストイックさ,効率の良さに惹かれて,結構集中して取り組んでしまいます.

音楽でも,筋トレ,柔軟体操はとっても重要なのです.

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