平均律クラヴィーア曲集

言わずと知れた,J.S.バッハの鍵盤楽器のための前奏曲とフーガの曲集です.

何とも理屈っぽいタイトルですが,そもそも何かのテーマや印象を音楽にしたというよりは,音楽理論を構築して出来た音楽という感じなので,必然的なネーミングだと思います.バッハが作曲したエチュードとでも言いましょうか.

ピアノを弾く人にとっては,ヴァイオリン弾きの無伴奏ソナタとパルティータみたいな位置づけなんでしょうかね?

ちなみに,第1番はグノーのアヴェマリアの伴奏に使われているから,知っている人も多いと思います.

CD屋に行くと,ピアノで演奏したものと,チェンバロで演奏したもの,2種類が売っています.

はじめてこの2種類を目にしたとき,平均律って言うぐらいだからピアノのための曲なのかと思ったのですが,バッハの時代にピアノがあったはずもなく,だとすると,チェンバロを平均律で調律するなんて変なことをやってたのかいな,とも思ったのですが,実際のところは,この「平均律」とは現代で言うところの1オクターブを12等分するという意味での平均律ではないそうです.ていうか,日本人が誤訳しただけらしい.

僕がこの曲が好きな理由は,人の感情的な思惑とかが一切感じられなくて,まるで蒸留したかのように非常にピュアな音楽であるからです.本を読むときに流していても思考の邪魔をしないし,かといって頭を休めたいときにはスーッと心に染み込んでくる,この心地よさがいいのです.

この曲を気に入った人は,さらに「フーガの技法」という曲を聴いてみることをお勧めします.バッハの中でもかなりマニアック路線を行っていると思いますが,対位法を駆使して綿密に構築された音楽は,聞けば聞くほど,その創造性が垣間見えてきて,聞く人に驚きを与えてくれます.

まあ,眠くなったら難しいことは考えず寝てしまいましょう.心地よい音楽を聞きながら眠れることほど幸せなことはありませんから.

カテゴリー: 未分類 パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

*