僕が好きな作家

本屋に行くと,僕がよく選ぶ小説は,青春小説ものが多いです.

江國香織だったり,重松清だったり,あさのあつこだったりするわけですが,最近結構好きな作家の一人に石田衣良がいます.

最初にこの人の本を読んだのは,4人の中学生が登場する話で直木賞受賞作の「4TEEN」というタイトルのものだったのですが,その流れで別の小説も買ってみたくなり,今は「1ポンドの悲しみ」という小説を読んでいます.

こちらの方の内容は青春小説とはうって変わって,僕と同年代+αぐらいのカップルの恋愛模様を描いた10のショートストーリーで,本当に十人十色ならぬ,二十人十色のお話がどれもリアルで面白いです.

登場人物は皆,それなりの年齢になっているので,20代前半の突っ走る恋愛とはちょっと違って,皆それぞれに,それなりの過去を背負いながら前に進んでいるという感じがあります.

ストーリーの視点はどちらかというと,迷い,傷つきながらも恋をする女性の心理描写に向いているものが多いでしょうか.それでも,ほんわかと前向きに終わる話が多いので,必然的に,男どもはそこそこデキた奴が登場するケースが多いですかね.

こんなストーリーばっかり読んでると,僕の妄想,空想癖に拍車がかかるような気がしますが,「ここで自分ならどうするか」なんて考えながら読むのもなかなか楽しいです.大概,登場人物の男とはギャップが生じて,「そんな奴にはなれん!」などと捨てゼリフを心に描き,嫉妬して終了するわけですが.

アホですね...

というわけで,石田衣良の作品に共通するのは,「心のひだ」の描写がうまいということではないかと思います.

人は多かれ少なかれ,希望が破れ絶望するという経験をし,落ち込んだり,悔しい思いをしながらも,それを乗り越えて今を生きていると思います.そういう,人間の心理の深いところに視点を置き,そっと手を差し伸べるようにストーリー展開をするところに,彼の小説の絶妙な魅力があるのだと思います.

カテゴリー: 未分類 パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

*