シェンゲン条約

ヨーロッパに長期滞在を試みると、意外と気になるシェンゲン条約の話です。お勉強しましょう。

日本人の場合、加盟国に査証無しで過去6ヶ月間のうち90日まで滞在できるというのがルールとしてあります。いわゆる観光目的の短期滞在であればビザがいらないという、あれです。

で、僕の話なのですが、僕は8月17日にスイスへ来る時には、デンマークのコペンハーゲンでイミグレーションを通り、加盟国への入国スタンプを押してもらいました。

ちなみに、ここでは特にビザや滞在許可を持っているかという確認はされませんでした。つまりこの時点では、査証免除制度を利用して入国したのか、滞在許可を取った上で入国したのかは問われていません。まあ、この時点ではどっちでも良かったわけです。

しかし、今僕が加盟国から出国するとします。この時に、当然のことながら出国審査があると思いますが、僕の滞在は既に6ヶ月内90日を超えたので、この時に滞在許可証を提示できないと、不法滞在をしたということになってしまいます。当たり前ですが。

なので、恐らく年末に一時帰国する際には、パスポートの入国スタンプを見た審査官は、滞在許可証の提示を求めるはずです。

なるほど、こういうときに滞在許可証が必要になるのですね。と一人で納得していました。

で、日本への一時帰国を終え、今度加盟国に再入国する際にも滞在許可証の提示が必要になりますね。

査証免除で連続90日間滞在してしまった場合には、少なくとも3ヶ月は期間をあけないと、過去6ヶ月内90日の条件を超えてしまうので再入国できないのです。

パスポートにはあの黒くて四角い出入国スタンプが押されているだけなので、その期間の滞在が査証免除に該当するものであったかの区別がつかないのです。ここで、パスポートにシールタイプのビザとかが貼ってあれば分かりやすいのですが、日本国籍の場合、スイスの留学目的の滞在にはビザが要らないので、滞在許可証のありなしがビザ代わりなのです。

さて、少し話はそれますが、僕がスイスに渡航する前には、仮滞在許可証を入手してから入国しなければいけないという情報と、査証免除で入国し、現地に入ってから滞在許可証を申請すれば大丈夫という2つの情報がネット上にはありました。

確かに、ネット上の体験談には仮許可証の無い状態で入国し、移民局でうまく交渉して滞在許可証を得たつわものもいるようですが、そういう制度がある以上、基本的には前者の方法で入国するのが普通です。ていうか、観光ビザを就学ビザに滞在国で変更するということはできないというのが世界的な原則なので、ビザと同等の扱いを受ける滞在許可もこのルールに準じると考えるのが自然です。例えイミグレーションで問題ないからといっても、常識的には入国前に相応の資格を得ておく必要があるのです。

しかし、日本にはこのことをきちんと教えてくれる人がいないんです。それが問題。在日スイス大使館の冷酷な対応ぶりは以前にも書いた通りです。この人の説明を聞いて理解できた人はどれだけいるんだろうと思います。

さて、話は長くなりますが、本題に戻り、まだ続きます。僕が留学期間を終了して日本へ帰国したとして、学会への出席などの急用ができたために、すぐにまた加盟国を訪れる必要が出てきたとします。

この時、入国可能なのか?という話です。

パスポートの出入国スタンプからは、6ヶ月内90日を超えた滞在をしたという事実しかわかりません。なので、そのままだと入国不可ですね。

過去の滞在が査証免除の滞在期間に該当しないことを証明しなければいけないわけです。

まあ、出入国管理局のデータベースで管理されていて、パスポートをかざせば情報を簡単に検索できるのではないかと推測しますが、念のために滞在許可証(この時には移民局に返却済み)のコピーとかを携帯しておくのが確実なんだろうと思っています。

アメリカなどだと、観光ビザの切れる3ヶ月ごとにいったん出国してすぐにまた入国する、という手法で長期滞在を実現する方法もある(あった?)ようですが、シェンゲン条約加盟国では出国による滞在期間のリセットがないので、これができないのです。

シェンゲン条約に基づく査証免除入国制度、6ヶ月内90日に該当しちゃうような長期旅行者(例えば現地に恋人がいるとか?)には、意外と不便なルールなのではないかと思います。

というわけで、本日は該当する人には深刻な問題、関係ない人には全く興味のないであろうお話でした。

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