SIMロック解除の話

昨日から産経のコラムが面白いです。これも、僕の好きなトピック、SIMロック解除に関するお話です。

【ドラマ・企業攻防】SIMロック解除“大騒動”なれ合い崩れ地殻変動

読めばわかりますが、ソフトバンクの社長がSIMロックに苦言を呈するのは、iPhone縛りで得たユーザーをSIMロック解除によって、ドコモに奪われるからで、ドコモがSIMロック解除に理解を示すのは、iPhoneに流れたユーザーが、ドコモのネットワークインフラの安定性に惹かれて再び戻ってくると思っているからです。

※ちなみに、iPhoneのSIMロックを外したいのなら、jailbreakなんかせずに、素直に香港版を買ってしまいましょう。その方が、システムのアップデートの度にヒヤヒヤしながらカスタムOSをインストールする心配がありません。ちなみに、今のドコモの料金体系では、iPhoneのSIMロックなし版をリーズナブルな料金で使う方法はありません。パケ・ホーダイダブル適用だとしても、上限金額は13,650円になるので、日本国内で使う分には、iPhoneのSIMロックを外す利点はないでしょう。ご参考まで、香港版のiPhoneは、iTunesからOSをインストールするたびに、こんな画面が表示されます。(ジョーク画像ではありません。)

iPhoneが海外に横流しされるなんていうソフトバンク社長の言葉は妄言に等しいです。だって、途中解約をすれば未払いの端末代は一括精算されるんだし、端末代を補填する月々割制度は、24ヶ月経たないと端末代に等しい還元額は得られないので、実質、ユーザは端末代金は全額支払っているからに等しいからです。

端末代を安くして通信料金で元を取るビジネスをしている云々言っていますが、今や端末は普通に機種変しても4、5万するのはざらなので、SIMロック解除と関係なく、このビジネスはもう存在していません。だからこそ、最近は新機種の売り上げが落ちているのでしょう。

僕は、端末代は別に安くなくていいと思っています。端末代金の高さよりも、キャリアに縛られ、好きなときに解約できなかったり、好きな端末を自分の好みのネットワーク、料金体系で使えない不自由さの方が苦痛です。

通信会社のその時代の善し悪しによって、ユーザーが流動的になるのは当然の結論です。企業努力をしないで、ユーザをいつまでも囲い込めることを期待する通信会社の方が怠慢だと思います。

そして、端末メーカー側も訳のわからない理由をいって難癖を付けていますね。「すべての通信会社に対応できる端末を開発するには、多額のコストがかかる」そうですが、世界で供給されている端末を作るには、この基準をクリアするのが当たり前なのです。

日本の素直なユーザとは違って、クラッキングして勝手にSIMロック解除しちゃったりする輩も世界中にいるでしょう。そういうマーケットでビジネスをしていかなければ、日本の産業は先細りするのです。もっと視点を世界に向けて欲しいものです。ほんとに日本人は根っからの鎖国主義ですね。

日本のマーケットを囲い込んで、小さなビジネスをするか、世界のマーケットに乗り込んで、大きなチャンスをものにするか、という話でしょう。いくら日本のマーケットを囲い込んだところで、いずれは世界の企業と競争する運命にあるのだから、逃げてはいけません。

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