アリとの戦い

6月になって暖かくなったからなのか、鳩山前首相の辞任と同時の日に、朝起きたらベッドの下にアリの行列ができていました。

刺激して部屋中にばらまかれるのも嫌だし、しばらくすればいなくなるかと思い、放置していたのですが、3日目になっても行列が途切れないので、これはまずいなと思いました。

この場合、問題は進行方向で、部屋から外に出て行っているのか、外から部屋に入ってきているのか、というのが重要です。外に出て行っているなら、駆除する手間が省けますから。一般的にアリの行列は、同時に両方向に進むアリから構成されており、一見するとどっちに進んでいるのかわからないのですが、今回の場合、よく見ると外から部屋に向かって卵らしき物体を運んでいるアリがいました。

これで確定、アリが外から家の中に引っ越してきていたのです。

3日も放置したので、家の中のアリの数ははかり知れません。早速、アリ退治に励むことにしました。初日は、とりあえずアリ用の毒餌を買ってきて、アリの行列の真ん中、壁の穴の前に置きました。しかし、アリも賢いもので、全く中にある餌を食べようとしません。引っ越しに忙しいようで、中にすら入る気配がありません。

しかたなく、蜂蜜の水溶液を餌の周りにまぶしてみました。すると、猛烈な数のアリが集まり始めました。これでやっと解決かと思いきや、蜂蜜だけ綺麗にたいらげ、蜂蜜が無くなり次第、アリはもう集まらなくなりました。毒餌を食べた気配もありません。

というわけで、毒餌作戦失敗。日本からアリの巣コロリでも買ってくれば良かったと思いました。

次なる策は、使いたくないけれど、殺虫剤で直接攻撃作戦。使いたくない理由は2つあって、一つは自分が少なからず殺虫剤の被害に遭うこと、もう一つは外から殺虫剤をまいても、アリが巣の中に隠れてしまうと根本的な駆除にならないということです。しかし、他に方法がないので仕方ありません。次の日に殺虫剤とストローを買ってきて、穴の中に直接噴霧しました。

殺虫剤をまくときには、入り口側からまくのがいいか、部屋の中からまくのがいいかという問題があります。迷いましたが、とりあえず、部屋への入り口の方を先に遮断して、行列を途切れさせてから、部屋の中のアリを退治することにしました。

殺虫剤の効果はてきめんです。殺虫剤の霧に触れたアリは、少しずつ動きがおかしくなります。アリにとっての神経毒なのかわかりませんが、まっすぐ歩けなくなったり、壁を登りはじめ途中で落ちるという行動を繰り返します。さらに時間が経つと、その場でひっくり返り、足や触角を振るわせて動けなくなります。

こんな感じで壁に近い穴からは大量のアリが湧き出し、一気に死に、あとは箒とちり取りで回収すれば終了という感じになりました。しかし、これで駆除が完了しているはずもなく、次の日の朝になると、また壁の穴周辺からアリが出て歩き回っていました。

予想はされていた事態なので、これからは定期的に壁の穴に殺虫剤を入れ続けることにしました。こうやって閉じ込めておけば、入り口近くに来たアリは殺虫剤で死ぬでしょうし、中にいるアリは餌不足になって死んでしまうだろうと思ったからです。

壁の中でいくつかの穴が繋がっているようだったので、同時に複数の穴から噴霧し、しばらく様子を見ると、2日目ぐらいから、一つの場所からはアリがほとんど出なくなりました。

しかし、今度は殺虫剤の噴霧をためらっていた台所から、シンクに残った水を飲みに来るアリが現れるようになり、困ってしまいました。どうしようもないので、全ての食器を別の部屋に待避し、殺虫剤をまきました。しかし、台所の設備の裏の空間が結構広いらしく、他の場所と違って、殺虫剤の直接的な効果が期待できないのか、なかなかアリの出現を減らせませんでした。

というわけで、途中から作戦を切り替え、水に寄ってきたアリを直接つぶして殺すことにしました。外からはもうアリが入ってきていないので、いつかはいなくなるだろうと思ったのです。部屋には別に餌になるような食品があるわけではないので、そもそも水だけでは生きられないだろうとも思いました。

殺虫剤も併用しつつ、根気よくつぶしつづけること3日目ぐらいで、ようやく数が減り始めました。

ついに昨日、たまりかねたのか、羽根のついた大きなアリが部屋の中を飛んでいました。ついに来たかと思い、これを退治したので、恐らく女王アリがいなくなったのではないかと思います。

今日は朝から晩まで、まだ動き回るアリを見ていません。このままいなくなってくれればいいのだけれど思いつつ、生活しています。

それにしても、アリが引っ越しを始めてから1.5週間ぐらい、非常に長い戦いでした。次回はこの経験を生かして、もう少し効率よく駆除できるのではないかと思います。

人間の都合で生物を殺すのは何となく罪悪感もありますが、今年9月の帰国に向けて、この部屋は次の人に明け渡さないといけないので、良い状態を保っておきたいのです。

しかし、精神的にも疲れました。ヒッチコックの映画みたいな感じでした。

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