プロヴァンスへの旅

金曜日+週末の3日間で南フランス、プロヴァンス地方へ旅行に行ってきました。具体的な街の名前は、アヴィニョン、アルル、マルセイユです。2泊はいずれもアヴィニョンのホテルに滞在し、初日にアルルへ、2日目にマルセイユに行ってきました。とりあえず、トピック抄を下記に記します。

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1日目:ジュネーブ、リヨン経由、アヴィニョンにTGVで到着。アヴィニョンTGV駅から、アヴィニョンサントル駅はバスで10分ほどかかる位置にある。新横浜みたいなもの。日差しが非常に強いが、風も強く、風はヒンヤリと冷たい。これぞミストラル。植生はまさに乾燥地帯という感じ、建築は全てがオレンジ、まるでイタリアかアフリカ。スイスとは風景が全く違う。

1.2ユーロ払ってバスでアヴィニョンの市街地に到着。城壁が印象的な街。アヴィニョンサントル駅で時刻表チェック、そのままアルルに行くことにする。出発まで5分もなかったのに、ホームが駅舎の外のはずれた場所にあり、危うく乗れなくなるところだった。駅員さんに場所を聞いて教えてもらう。フランスのおじさんの駅員は何となく厳ついイメージ。田舎だから、国鉄の権威が今も昔の様に残っているのか。昔、日本でも国鉄時代の駅員は、JR時代よりはるかに偉そうな雰囲気だった気がする。

急行電車で次の駅が終点アルル。所用時間約20分。アルル駅前は何もない。ガイドブックの教え通り、川に出て河岸沿いにアルル中心街へ向かう。途中、昔は橋だったと思われる遺跡発見。修復せず、完全に壊してしまうこともなく残しているのが面白い。対岸にも同様の構造物がある。

更に歩くと、公園に小さな馬がいた。ポニーっていうのだろうか。なかなかかわいい。アルルの街は、やはりイタリアか、アフリカか、という感じ。ものすごくエキゾチック。パリのある同じフランスとは思えない。南ヨーロッパってこんな感じなのね。同じ南でも、ニースやモナコとも違うんだよなぁ。

円形闘技場が見えてきた。ローマの闘技場を更に小さくして破壊したらこうなりそうな感じ。古代遺跡が街の中に普通に溶け込んでいて、不思議な光景。昼食は闘技場近くのレストランで、ビールと共に魚介の串焼きを食べる。今回の旅で一番おいしかった食事。

食事後、屋外劇場の遺跡に向かう。ここで、地図案内を求められた女子3人組にスリに遭い、帰りのTGVのチケットを失う。南ヨーロッパに来ているのを忘れていた+ビールでほろ酔いだった+調子に乗ってフランス語で説明していた、色々な要因により、典型的なスリに引っかかった。猛烈に反省。しかし、ご丁寧に封筒に入ったTGVのチケットだけ持って行かれた。せっかく帰りは1等だったのに。

そのまま、しばらく歩き回り、暑いのでアヴィニョンに戻ることにする。途中、公園でペタンクに興じるおじさん達を眺める。見た感じ、氷の上でやるカーリングを砲丸でやってみました的なゲームのようである。

帰りの時刻表には、直近の発車はバスになっていたので、バスで帰ることにする。国鉄バスみたいなものか、同じ切符で電車にもバスにも乗れる。しかし、これが失敗、電車ならたった20分のところが1時間ぐらいかかった。途中アヴィニョンTGV駅にも停車し、明らかに遠回りして帰ったことが判明。他の乗客はアヴィニョンTGV駅で下車、私だけサントルまで連れて行ってもらうことに。

ちなみに、バスの運転手はトラッドヘアの黒人でバスはアフリカの音楽がずっと流れていたのが印象的。日本でも南に行くと、路線バスでラジオ放送を流していたりするけれど、そんなものなのか。

アヴィニョンは、演劇祭の真っ最中。7月いっぱいで終わりなので、最後の週末ということ。メインストリートは歩行者天国状態になっていて、ものすごい人通り。途中ツーリストインフォメーションに立ち寄り、ホテルに直行。チェックイン。今回泊まるホテルは2つ星の安いお宿。一応1泊70ユーロぐらい。裏通りだけれど、街の中心にあって便利。部屋にはロフトがあって、ベッドがあった。けれどロフトは暑いので、使わなかった。

夕食までアヴィニョンの街歩き。法王庁、アヴィニョン橋など眺める。この辺は、ヨーロッパの街どこ行ってもこんな感じなので、まあ、そうだよね、という感じで納得。夕食は、Soup de PoissonとFruit de Merを頼む。夏に生の魚介大丈夫かいなと思いつつ、いただく。まあ、美味しかった。お腹も大丈夫だった。ムール貝の生はかなり苦手だった。ていうか、ムール貝は冬に食べ過ぎて、むしろ嫌いになった気がする。

白ワインでほろ酔いになり、またスリにあっても困るし、疲れたのでホテルへ直行。テレビを眺めつつ、フランスのテレビ局はどぎつい描写のドラマを放映するなと思いつつ、うたた寝。シャワーを浴びて就寝。

2日目:今日はマルセイユに行くことを決めていたので、駅に直行。そしたら、マルセイユ行きの次の発車は、またバスであることが判明。時間がかかるような気がしたけれど、電車は1時間以上先なので、バスで行くことにする。今度は高速なんかを使いつつ、約100分で到着。結構遠かった。

マルセイユは、アヴィニョンより更に混沌としている。港町なんてこんなものなのか。あまりにも街が荒んでいるし、民族もごちゃごちゃという感じ。さらにアフリカに近い。街は大きく、裏通りはあまり印象がよろしくなく、早く抜け出したい感じになる。ここは観光の街ではないと思い、直ちにイフ島に渡ることにした。港から船で約20分。非常に小さい、要塞の島。監獄として使われていたらしい。

城の中は、まるでRPGに出てきそうな造り。井戸が真ん中に鎮座しているのが面白い。全ての部屋は牢屋のレイアウト。宮崎駿のアニメに出てくる牢屋はこんな感じだと思う。パズーがムスカに閉じ込められていたのはこんな部屋だったような、と思い出す。城からのマルセイユの眺めは最高。海がとても綺麗なのが印象的。しかし、暑かった。喫茶店でカフェをいただき、人が船着き場に戻っていくのを見計らって、移動。

しかし、帰りの船、1便目は満員で乗船できず、さらに40分以上待ちぼうけになった。かなりの人が島に取り残されたが、静かで、風景がいいので、のんびりできた。ようやく、人を別の島に送り届けた船が戻ってきた。船員さんがマルセイユ直行です、他の島には行きませんと言って案内していた。

マルセイユの街はあまり面白くないので、そのまま地下鉄で駅に向かい、帰ることにした。時刻表通りの時間に戻ってきたけど、電光掲示板には全然出発時刻が書いていない。駅員さんに聞いたら、線路工事をしているため、ダイヤが変更になっているのだそう。さらに1時間近く待つ羽目になった。

お腹が空いたので駅構内のマックに行ってみることにした。スイスのマックは美味しかったので、フランスも美味しいかと思ったら、日本と同じ味だった。スイスのマックは全てスイス産の原材料を使っているから特別美味しかったのだろう(高いけど)。ちなみに、会計の時、間違えてスイスフラン紙幣を出したら、よほど珍しかったらしく、店員さんが丸い目をして、何じゃこりゃ、スイス?と言っていた(フランス語で)。

時間まで駅構内をぶらぶらして、電車に乗る。バスで来たときは100分だったけど、帰りは150分ぐらいかかったと思う。バスで帰ればよかった。

夕食は、来たときからちょっと気になっていたレストランで肉食系の食事をすることにした。ツナサラダ、牛肉のステーキ、ベリーとクリームのデザートでもうお腹いっぱい。どの店も量が多く、この旅行ではちょっと食べ過ぎになった。

3日目:今日は外で朝食を食べることにした。8ユーロの朝食セット。パンとコーヒーとオレンジジュースがセットになっている。法王庁の前のカフェでいただく。ほとんど人はいなかった。そのまま、近くの公園に向かう。池に鴨が群れをなして泳いでいた。雛もいてピヨピヨと鳴いていた。

最終日なので、お土産を買いに行くことにする。アヴィニョン橋に向かう途中の土産物屋に直感で入る。蝉の陶器の小物が名物らしい。どこにでも売っている。確かに蝉の鳴き声も聞こえる。しかし、魅力的でないので、別のものを購入。ラベンダーが中に入ったクマとか、羊っぽい人形とかを購入。

そのまま駅に向かい、帰りの電車の時刻をチェック。予約した列車の時間まで6時間ぐらいあるので、TGVのチケットを払い戻して、在来線の急行で乗換駅のリヨンまで戻ることにする。TGVから在来線に格下げしたら、料金が戻ってくるかと思ったら、さらに5ユーロ払う羽目になった。今回は、列車のチケット関係でトラブル続きだった。

さらに、列車は遅れるとのこと。窓口では15分遅れと言われ、ホームでは30分遅れと表示され、結局出発したのは50分遅れだった。途中で、発車ホームも変更になった。とんでもなくルーズなフランス国鉄。スイスのダイヤ感覚に慣れるとついていけない。

急行列車で180分の旅。のんびりと風景を眺めながら長距離列車に乗るのは楽しい。この列車はどうやらマルセイユからアヴィニョンを経由してリヨンに向かっているらしい。途中、原発らしき建物を多く目にした。さすがフランス。

リヨンにつく頃には曇り空。少し雨も降り出していた。日曜日の夕方ということで、駅構内は帰りの電車を待つ人々であふれていた。次のTGVまで2時間ぐらいあるので、街に行くことにする。リヨンのメインの駅は街の中心から少し離れている。そのため、トラムに乗って15分ぐらい移動した。

街は、全て店が閉まっていて、雨も降っていて、観光するには最悪のコンディション。とりあえず見た雰囲気では、かなりパリを意識して街作りをしていると思った。きっとあこがれていたんだと思う。ローヌ川沿いはまるでセーヌ川沿いの風景みたいだし、エッフェル塔もどきのタワーまで立っていた。帰りがけに、トラムを待つ間、雨宿りも兼ねてまたマックに入る。今度はフィレオフィッシュ。肉より魚の方が美味しいと思う。

フランスの駅では、必ず時刻表の前に人だかりができる。電車の発車ホームが20分前ぐらいにならないと決まらず、時刻表で必ずチェックしないと電車に乗れないないからだ。なので、ダイヤはルーズでも電光掲示板の整備はしっかりしている。

帰りはTGVでジュネーブまで。この路線は在来線を使って走るので、TGVの本来のスピードで走ることはできない。ならばTGVでなくてもいいのかと思うが、停車駅が多すぎで時間がかかりすぎるので、TGV以外に選択肢はない。ジュネーブまで途中停車駅は1カ所だけだった。

ちなみに、ジュネーブ駅はホームによってフランスセクターとスイスセクターが分かれており、その間を行き来するには税関や入国審査場の置かれた通路を通る必要がある。但し、昨年からスイスはシェンゲン条約加盟国になったので、施設があるだけで機能はしていなかった。

ローザンヌ到着は夜の8時頃。まだ十分明るい。ローザンヌは治安が良くて本当にホッとする。

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