日米安全保障

昨日のブログで、日米安保によらない日本の国防を考えたとき、日本は極東の安全には責任を持てるか分からないけど、自国は完璧に守ります的な立場を取ればいい、というようなことを書きました。しかし、こういう自己中心的な考え方では、経済大国の日本として、国際社会では認められないだろうなと思います。いくら平和を愛する国家だとはいっても、やはり、世界の安全に責任のある立場を表明し、実行しなければいけないように思います。

しかし、その一方で、極東の有事があったときに、日本の自衛隊+αみたいな組織がしゃしゃり出ても、日本の軍隊に対してアレルギーのある東アジアではきっと過去の戦争を想起させるだけで、単なる内政干渉だと非難されるだろうし、あまり、ありがたがられないと思います。

というわけで、日米安全保障条約を今後も維持するなら、アメリカの兵力に日本軍事的抑止力の代弁者、実行部隊として肩代わりしてもらい、その後方支援をするという立場を今後とも続け、一応世界平和の責任の一翼を担っているという「パフォーマンス」をしなければいけないだろうと思います。

その一方で、アメリから自立したいと言うなら、スイスみたいに永世中立というのが現実的なのかなと思います。周辺の国々が勝手に争うのはご自由に、でもどさくさに紛れて自国に火の粉を飛ばしたり、自国の領土に手をかけたら徹底抗戦します、という立場です。

今だって、アフガニスタンでアルカイダ組織の掃討作戦が実行され、いわゆる戦争をしていても、戦っているのはアメリカとNATOで、日本は全然関与していません。アメリカが関わる戦争は、地域の秩序安定を名目に、大概アメリカの論理で世界を巻き込み、勝手に争っていることが多いので、日本が関与しないのは正解だと思います。実際には、日本は別にある信念があって関係を絶っているわけではないところが問題だと思いますが。。。まあ、背景はともかく、日米安全保障条約によらない日本の東アジアにおける立場とは、自国の国益に関係のない争いには関わらない、そういう自己中心的、ハリネズミ的な態度で平和の理想を掲げる国をつくるということです。

その延長線上で、沖縄にアメリカ海兵隊の基地は要らないし、アメリカがどうしても東アジアの安定に貢献したいというのなら、グアム辺りから遠路はるばる日本海、東シナ海までやって来てください、もしくはアメリカとの強固な軍事同盟を望んでいる韓国との関係を深めて、韓国にでも基地を移設してください(暴論ですが)。という話になると思います。

さて、荒い論理ですが、以上のように、日本のあり方として、日米安保の延長線上で普天間基地の問題を考える立場、日米安保を前提としない新しい秩序のあり方を模索する立場から普天間基地の移設問題を考える立場、2つの立場があるのではないかと書きました。これは、どちらが正解というわけではなく、両方の立場があってしかるべきで、別に戦後65年の歴史をこれからも踏襲する必要が必ずしもあるわけではなく、新しい日米関係のあり方を模索するきっかけとして、議論を深めるべき問題なのだと思います。

そして、民主党が昨年公約に掲げた普天間基地移設に関わる提言とは、本来、上記の後者のような立場から議論を深めるための、対立軸だったのではないかと思います。

今日ご紹介するのは、8月2日にあった衆議院予算委員会での石破議員の質問に対する、菅首相の答弁の動画です。石破議員はご存じの通り防衛庁長官、防衛大臣も務めた国防に関するきっての論客です。石破議員の主張はもちろん、日米安保の延長線上としての、日本のアメリカ軍との関係のあり方を説いています。ですから、民主党を代表する菅首相としては、その対立軸として議論を展開しなければいけなかったはずなのですが。。。

さて、どうなっているかは、見ていただければ分かりますが、鳩山前首相時代の空想論、理想論より更に後退して、全く思想がない、知識がない、論理がない、何を言っているか分からない、自分でもきっと何を言っているか理解してない、というとんでもない状況に陥っていることが分かります。

こんな人が日本の国防の最高責任者だとしたら、国防に関わる日本の政治、軍事のシステムは、そもそもの設計を間違っているとしか考えられません。首相は多方面にわたって知識を深める必要があるので、勉強しないといけず、大変だとは思いますが、なんか自信がなさそうで頼りないし、人間性が国のリーダーとして適していないんじゃないかなぁと思ってしまいます。

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