住所の話

多くの方はご存じかわかりませんが、ヨーロッパの住所表記はストリート名(広場名)+番号で一意に場所が特定できるようになっています。通りの右側が偶数、左側が奇数で昇順に並んでいるのもだいたい共通ルールです。

したがって、誰かの家に訪ねていくとき、住所を聞いて、通りの場所知っていれば、あとは現地に着いてから通りを歩きながら番号を探せばいいわけです。番号は一つの建物に必ず一つあり、集合住宅などで場合によっては同じ建物の入り口ごとに違う番号が振ってあったりします。

どんな小さな通りでも、全てに名前がついていて、番号がちゃんと順番に並んでいるというのは、なかなかすごいことだと思います。そこで、質問してみました。1という建物と3という建物の間に新しく建物が建った場合、何番を名乗ればよいのかと。

すると、ドイツ人の答えによれば、番号の後にアルファベットでサフィックスをつけるそうです。この場合なら、1bとか3aとかにするってことでしょう。なるほどと思いました。番号の順番を維持するために、番号を振り直したら大混乱になりますからね。

ちなみに、スイスでは集合住宅の場合、部屋番号は存在するのですが、住所には表記しないのが一般的です。人の家に訪ねていくときも、何階、何号室なのかは特に聞きません。その代わり、重要になるのが郵便ボックスの表札です。番号の振られた入り口には呼び鈴付きの表札、もしくは郵便ボックスが置いてあり、何号室に誰が住んでいるかがわかるようになっています。

したがって、日本で(少なくとも都内のマンションはほとんど)一般的なように、郵便ボックスが無記名だとどうなるか。。。郵便物が届きません。郵便配達の人がどの箱に入れて良いかわからないからです。

ヨーロッパの住所表記方式は、通りや広場の名前を使うので、とても理路整然としていて、日本の住所のように区画に名前がついているのとは異なり、何丁目まで来たけど、何番がどこにあるかわからん、ウロウロ、ということがありません。

ちなみに、日本では、マンションなんかの場合、建物名をちゃんと書かないといけないんだと言ったら、そのドイツ人は建物の一つ一つに名前がついているということに驚いていました。東京の建物には全部違う名前がついているのかと聞くので、少なくとも一つの区画には重複しないように名前がついていると思うよ、と言っておきました。ヨーロッパのどんな小さな路地にも必ず名前があるのと同じじゃないかと思いますが。

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