世界の車窓から

研究室のドイツ人に、最後に1カ所だけ行くとしたらどこに行く?と聞いて、返ってきた答えが、もしまだ行っていないならChamonixだと思うよ、と言われたのを思い出し、今日は1日旅行をしてきました。本当は結構疲れていて、昨日の段階では、今日の予定はジュネーブで休んでいるつもりでした。しかし、もう明日は日本に帰国だと思うと、せっかくのチャンス、日本に帰ったらなかなか簡単にはヨーロッパに行けないし、エネルギーを振り絞ってでも行っておくべきだなと思い、行ってきました。

Chamonixは、いわゆるモンブランがある場所です。もう日本に送り返したガイドブックに、ジュネーブから行くと書いてあったのを思い出し、ネットで調べて電車で行ってきました。片道所要時間は約2時間。ジュネーブから鉄道で行くと、かなり不便です。ローザンヌ対岸のエヴィアンから行く方が素直だったかも知れません。というのも、電車を3回乗り換えないといけないからです。

それもジュネーブ発の電車は、中央駅に相当するコルナヴァンからではなく、Geneve Eaux-Vivesという、街の外れにあるフランス国鉄(SNCF)の駅から出発します。この駅はまだスイス領、だけどSNCFが運営していて、1日に5,6便しか運転していません。駅舎はあっても駅員はおらず、ターミナル駅なのですが1番線しかなく、SNCFが民営化されたら真っ先に廃線になるだろうというような雰囲気の駅なのです。しかし、鉄道でジュネーブからフランス領アルプス方面の各駅、さらにChamonixに行こうと思ったら、このルートが最も近いので、かろうじて残っているのです。

ホームの自動券売機で切符を買ったときはスイスフランだったのに、電車に乗ったらユーロで支払わねばならず、困りました。本当は車内精算でChamonixまでの切符を買おうとした(券売機は近距離分しか買えなかった)のですが、デビットカードも使えないというので、仕方なく終点の駅でその先の切符を買うことにしました。

この線は2つ目の駅が終点で、終点はSNCFの幹線に接続するAnnemasseという駅です。所要時間10分ほど。どこで国境を越えたのかさっぱり分かりませんでした。スイスがシェンゲンに入る前は入国審査はどうしていたんでしょう。そして、AnnemasseからSt-Gervais-les-Bains-le-Fayetというやたらと長い名前の駅で、さらに乗り換えます。ここまで約80分。この先は、スイスでもよく見かける登山電車仕様の狭軌の車両に変わり、約40分でChamonixに到着です。

スイスでは切符の打刻がないのに、SNCFではホームでも車内アナウンスでも、繰り返し、繰り返し、しつこいぐらいに、乗車前に打刻するように注意するアナウンスがあります。スイスの鉄道に慣れると、何でそんなに打刻が重要なのだろうかと思ってしまいますが。

そして、モンブラン。見てきました。街の雰囲気はツェルマットにそっくりです。いわゆる山岳リゾートなのです。谷間に街が形成され、街の中央に雪解け水の流れる川があります。今回はモンブランの反対側の山にロープウェーを乗り継いで登りました。朝が早かったので食事をしておらず、山頂でサンドイッチを食べ、写真を一通り撮影して休憩していました。今日は雲が全くない快晴で、幸運でした。とても気持ちの良い陽気でした。

モンブランの氷河は、何となく、昔の写真より後退している雰囲気があります。本当に、温暖化でいずれ消えて無くなってしまうのかも知れません。

マッターホルンと山の形は違いますが、楽しみ方の内容は全く同じです。一通り経験したので、帰路につきました。Chamonixでは日本人を何組か見かけましたが、さすがにこの変な鉄道の旅をしている日本人はいませんでした。Chamonixは車かバスで行くのが正解だと思います。

さて、ジュネーブに帰ってきてから、夕食まで時間があったので、昨日は休みだったジュネーブ名物の噴水を眺めながらおやつを食べ、ホテルに帰って寝ていました。

スイス最後を記念する食事は、日本食でした。駅前通りにあるMiyakoという日本料理店の寿司バーで、握りを頼みました。おやつを食べてしまったのもあり、寿司がちょうど良い量だったのです。ここはさすがに本物の日本料理店で、美味しかったです。しかし、握りが小さい割に高かったですね。4種類の握りのアラカルトとビールでチップ込み7000円です。日本なら、どんな高級寿司なんだと。。。まあ、いいです。記念なので。これがスイスで食べた初めての寿司でした。

そして、明日は朝に帰国便に乗ります。いよいよ現実世界に戻るって感じでしょうか。今も現実だとは思いますが。明後日には日本の地にいることが、今でもあまり信じられません。

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世界の車窓から への1件のフィードバック

  1. 組長 のコメント:

    1年間本当にお疲れさまでした。
    無事の帰国を祈っております。

    帰国されたら、帰国祝をしましょう!

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