最高裁も変な判決を下したものだと思います.
「機器を預かっているだけで、番組を転送しているのはあくまで利用者。1つの機器は1人の利用者にしか送信しておらず、不特定の人への送信に当たらない」
これ,言い訳でも何でもなく,誰が考えても正当な事実説明です.否定のしようがないでしょう.これを否定しようとする側の方が,へりくつをこねることになると思います.
それ以前に,日本のテレビ局は頭が固いというか,考えが古いというか,何を守っているか,自分たちでもよくわかっていないんじゃないかと思います.別に番組の内容を改変して,たとえばCMをスキップして転送しているわけでもないわけです.スポンサーにとっては視聴者が増えるわけですから,嬉しいわけです.
お金を取って転送をしているから,営利目的の行為であり,コンテンツのただ乗りだから許せない!とか言うのもどうかと...テレビ放送を営利目的に利用してはいけないというのなら,もっと他に責めるべきところがあるはずです.集客目的でテレビを設置している定食屋さんが昔はいっぱいあったでしょうし,今は,サッカーのワールドカップの時にパブリックビューイング的にバーがテレビ放送を利用しています.ラジオ放送を流しているラーメン屋さんだってあるでしょう.これは,なんでOKなの?と言いたくなります.
わざわざお金を払って転送してもらっているのは,主に海外に居住している日本人です.なぜだか知りませんが,日本のテレビ局が海外へのインターネット経由のコンテンツ配信を許していないから,日本の放送を見られないという理由で,わざわざこういうサービスを利用しているのです.スイスみたいに,はじめっから放送局がインターネットのサイマル放送を許諾していれば,ただ乗りだ!などと責める対象も存在し得ないのです.大して質の高くない日本のテレビコンテンツを,苦労してわざわざ視聴している奇特な人たちをないがしろにする理由は何なのでしょうか.海外居住者に観てもらった方が視聴率が上がるのに,アホかと思います.
海外放送を禁止したって,日本のアニメに勝手に字幕をつけてインターネット上で違法に配信する海外ユーザは減らないのです.現に日本のアニメはたとえばヨーロッパでは,各国の字幕をつけて翌日には公開されているのです.今ある利益を守ることにばかり目がいって,オープンにすることで得られる利益を逃しているように思えてなりません.
ほんと,日本のメディアは視野が狭いと思います.ていうか,自分たちの視野が狭いということにすら気づけていないのだと思います.