2月24日に,お台場で航空無線通信士の試験を受けてきました.これは,昨年の三級アマチュア無線技士に始まり,一級アマチュア無線技士に続くステップとして受験したものです.ここまで来るとさすがに資格マニアの色が濃くなってきますが,別に資格全般が欲しいわけではありません.一連の勉強で,解説が曖昧でよく理解できないところを理解しようとすると,上級の勉強をする羽目になるという自然な流れに沿ったものです.やってみればわかります.まあ,高い受験料を払って,ボケ防止のために脳トレで遊んでいるとでも思っていただければ...
しかし,無線の資格は沢山の種類があって,奥が深いです.なかなか極めきれないにも関わらず,続けて勉強したくなる面白さがあるところが何とも魅力的だと思います.
さて,今回受験してきた航空無線通信士は,主に事業目的で飛行機を飛ばすためのパイロット(定期運送用操縦士)に必須の資格です.そのため,今回試験を受けてきて印象的だったのは,受験者の年齢の若さでした.恐らく専門学校から大学生ぐらいの年齢の人たちが7~8割ぐらいだったと思います.「宮崎」というキーワードが連発されていたので,恐らく航空大学校の学生さんだったのではないでしょうか?今までのアマチュア無線の試験では中年~初老の男性がほとんどだったので,その印象と比較すると,雰囲気がかなり賑やかでした.模試か何かを受験している気分でした.あ,あとは見るからに自衛隊の人もいました.「Operation Tomodachi」というワッペンをつけたバッグを持っていたので,すぐにわかりました.
航空無線通信士の試験は4科目です.午前中に無線工学と法規の試験があり,午後に英語と電気通信術の試験があります.僕の印象では,航空無線通信士の無線工学は1アマよりはるかに簡単です.その主な理由は,面倒な計算問題が一切出題されないからです.
法規の方は,1アマの時の問題に航空管制特有の問題が混入してきた雰囲気で,4科目の中では割と面倒だと感じました.ちなみに,やたらと遭難通信や緊急通信に関する問題が出るのが特徴です.
英語はヒアリングがあるのが特徴的です.今回は僕の苦手とするキングスイングリッシュ系の発音で,TOEICで経験を積んでいれば余裕だろうと思っていたものが,意外と苦労しました.ただ,やはりTOEICよりはるかに易しい理由として,読み上げるスピードを変えながら問題文を3回もリピートしてくれる点があります.なんだそりゃ,という気がしますが,これのおかげで救われた感じでした.
電気通信術の試験の内容は,フォネティックコードのヒアリングとスピーキングです.2分間に100文字のアルファベットがフォネティックコード(A:アルファ,B:ブラボー,C:チャーリー...)で読み上げられるので,それを解答用紙に書き下していくのがヒアリング,試験官の前で2分間以内に100文字のアルファベットを間違えないようにフォネティックコードで読み上げるのがリーディングの試験です.ちなみに,私はPをピーターと読みそうになる癖があり,それを出さないようにするのに苦労しました(本来,Pはパパと読む).
ちなみに,試験対策は過去問しかやっていません,ていうか,これで十分すぎると思います.あとは,法規に関しては参考書があった方がいいので,テキストに結構目を通しました.ちなみに,合格率は45%って書いてありますが,上級資格と比較したら全然難しい試験では無いと思います.普通にまじめに勉強したら,必ず合格する資格だと思います.
電気通信振興会 (著) 航空無線通信士―無線従事者国家試験問題解答集
電気通信振興会 (著) 法規―航空無線通信士用
朝の9時30分から始まり,4科目終了したのが16時30分頃,一日がかりの試験です.そして毎度のことですが,無線の試験はやたらと試験時間が長いのが特徴です.14問しか問題がないのに,90分も試験時間があるので,いつも大体30分経過した頃には見直しとマークミスチェックも終了してしまうという状態になります.幸いにして,1時間ぐらい経過した頃には退出が許可されるので,多くの人は退出時間が来ると直ちに退出しているような感じでした.
今回の試験で印象的だったのは,宇宙飛行士の野口聡一さんが,何となくお忍びっぽい雰囲気で試験を受けに来ていたということです.マスクをつけたまま,試験中も全く外さなかったので,気づきにくかったのかもしれませんが,周囲の受験者達は全く意に介していない様子だったので,こっそり話しかけて問題集の表紙にサインをもらってきました.
まだ解答も発表されていませんし,答え合わせもしていませんが,恐らく合格したのではないかと思います.いずれにしても合格発表は1ヶ月後なので,気長に待つとしましょう.パイロット,それも日本で飛行するパイロットにならない限り,全く意味の無い資格ですが,まあ,勉強した証として免許証を持っておくのも悪くないと思っています.
次なる目標は何にしましょうか...
一応,2年ぐらいかけて,無線の2大最上級資格である
「第一級陸上特殊無線技士」→「第一級総合無線通信士」
を制覇したい思っているのですが,どうなることやら...興味が続けば,勉強していると思います.