ついに日本でもSIMフリーのiPhoneが発売になりましたね.
ソフトバンクがiPhoneを日本で独占販売していたのは何時の頃の話かと思うぐらい,時代が変わったなと思います.ていうか,Appleによって強制的に変えられたとでも言うべきかもしれません.
日本における,ここ数年の携帯業界の変化というのは,本当にドラマチックでしたね.これまでに日本が独自に築き上げてきたエコシステムが見事なまでに破壊され,GoogleとAppleにほぼ市場は独占されたのですから.
NTTドコモは,なんであんなに頑なにAppleと対決しなければいけなかったのかなと思います.もっとはやく負けを認めて,早めに携帯端末メーカーを見捨て,通信会社独自のサービス部門はリストラし,iPhoneを発売していれば,ここまで深手を負わなかったように思うのです.ある意味,日の丸を背負ってギリギリまで端末メーカーを守り通した(後半で韓国のメーカーを重用していたのは納得いかないが)とも言えるのですが,あまりにもお粗末な経営判断でした.まあ,結局は土管化を恐れたのが最大の原因でしょうが.
i-modeのような通信会社独自のサービスなんか,もう風前の灯火です.若い人はもはやそんなサービス名すら知らないかもしれません.LINEでコミュニケーションするのが普通になり,キャリアメールも存在価値を失ってます.メールを使うにしても,キャリアメールを使うとキャリアに縛られるし,PCでチェックしたりできないという不便さから,メールを使うならもはやgmailが常識です.
SIMフリースマホが普通になり,特定の端末を欲しいが故に通信会社を選ぶ,という縛りがなくなったとなれば,もはや通信会社は土管化を免れないでしょう.
ていうか,留学中のスイスではそれが普通でした.通信会社は,品質の良い通信網の整備に専念する.それで十分だと思います.
現状,持ち込み通信機器では月々の料金の割引が受けられず,満額のプランしか契約できない,なんて通信会社各社は言っていますが,すぐにでも変わるんじゃないかと思います.結局のところ,2年縛り,中途解約で違約金を高く取るという方法ならば,端末を通信会社から買う買わない関係なく,いままでと同じ商売ができるからです.
プロバイダやデータ通信では,1または2年縛りにすれば,割引のある契約ができるのが普通になっている以上,同じような契約形態がスマホに適用されない方が変だと思います.
さて,通信会社が土管化したら,通信機器メーカーはどうなるでしょうか.
今までのように,どこそこの通信会社向けに特化した企画物の端末,というのは無くなっていくでしょう.また,独立独歩で開発せねばならず,通信会社が買い上げてくれる保証もなくなるので,やっと,世界と競争できる端末作りに専念する「覚悟」が持てるようになるのではないかと思います.とはいっても,多くの日本企業は,敵前逃亡のように,既にスマホビジネスからほとんど撤退してしまいましたが...
まったく,情けない.いままで通信会社守られすぎてきて,全然競争力がないんですね.通信会社に頼らずとも端末を売り出し,SIMロックフリーで発売してしまう,Appleのように,ルールを変えてしまうようなメーカーは日本にはないのでしょうか.
そして,最後にユーザーはどうすればよいのか.
個人的にはSIMフリー端末を買って,好きなキャリアのSIMカードを挿して使いたいと思います.今だって端末代金は一括でしか購入したことないので,端末代が数万円するのは普通だと思っています.SIMフリーiPhoneを香港から個人輸入していたことを思えば,日本国内でiPhone 5sがあの値段で買えるなら,十分安いなと思います.
そもそも,端末代を一括で払っているのにSIMロックかけるのはおかしいです.少なくとも,2年縛りがなくなった時点で解除しなきゃおかしいですよ.
あとは,通信会社が端末持ち込みで,2年縛りありの割引契約を認めれば,全ては丸くおさまるのですが.
ちなみに,仮にこうなったとしたら,SIMロックは全く意味をなさなくなりますね.通信会社から購入するとSIMロックがかかって,メーカーから買えばかからない,端末代金はほとんど同じとなったら,誰もSIMロックのかかった端末なんか買わなくなるでしょうから.